世界の有名なダイヤモンド「カリナンIとII

Great Star of Africa -「アフリカの偉大なる星」

ロンドン塔に展示されている、世界的なダイヤモンド「カリナン」をご紹介します。
Cullinan IとIIは、世界で最も価値が高いと評価されるダイヤモンドで、カラーとクラリティも特に優れ、美しさは理想的です。

もととなったダイヤモンド原石は1905年、南アフリカのプレミア鉱山で、1人の労働者によって「夕日を浴びて光る石」として偶然にも発見されました。 3106カラットもあったため、その大きさゆえに水晶と間違えられるほどでした。 それまでに発見された最大の物でさえも3分の1以下だったのです。

その巨大な原石は、1908年にアムステルダムにおいて慎重にカットされ、9つの大きな宝石と96個の小さな宝石に生まれ変わりました。 その美しくカットされた9つのダイヤモンドは、発見された鉱山の開発者「ト−マス・カリナン」の名前にちなみ、大きさの順に、カリナンIからカリナンIXまでの名が付けられました。

そのうちの大きな2つが、カリナンIとIIになります。


矢印部分がカリナンI

カリナンIは、約530カラットにカットされたふっくらとした洋梨形。 「最大のダイヤモンド」として特別であったばかりでなく、「世界一の美の結晶」と言えるほどに、その美しさと大きさが特別なものです。

そこで、英国国王エドワードVII世は、この宝石だけはアフリカで採掘された、世界最大のダイヤモンドへの敬称として、特に、Great Star of Africa=「アフリカの偉大なる星」の称号を与え、英国国王を象徴する王笏(おうしゃく:君主が持つ象徴的かつ装飾的な杖)に取り付けました。

カリナンIIはオーバル型で約317カラット。インペリアル・ステート・クラウンの正面にセットされ、英国を象徴する王冠として展示されています。