ジュエリーの歴史の始まり~クレタ島

今、皆さんが楽しんでいるジュエリーはどこから来たのでしょうか。

高級な宝石や大好きなブランドは、イギリスやフランスやイタリアなど、その多くがヨーロッパのジュエリーにそのルーツがあることはご存知ですね。そしてヨーロッパの文化はローマ時代にさかのぼり、古代ローマは古代のギリシャにさかのぼります。

写真:エーゲ海(サントリーニ島)
エーゲ海(サントリーニ島)

今は観光地として美しいエーゲ海の風景。その地こそがヨーロッパのジュエリーの歴史の始まりになったともいえるのです。何回かにわけてそのお話をしてみましょう。

クレタ島「ギリシャ神話の時代」

以前、エーゲ海に浮かぶクレタ島を訪れたときの話を書きましたが、クレタ島の遺跡はミノア文明と呼ばれ、古代ギリシャより以前の文明です。

後の時代にギリシャ神話の一つにもなった宮殿跡…クノッソスの迷宮があります。「怪物ミノタウロスを退治する冒険物語の舞台となって登場しています。その宮殿跡には、物作りに優れた人々の多くの職人部屋があり、ジュエリーへの思いで書いたように、その中には宝石加工の職人の部屋もあります。

4000年以上昔のクノッソス宮殿の、その存在が発見されたのは、わずか100年ほど前になります。

この地で発掘された黄金の装身具は、ミツバチや牛などの動物や、斧のような形を使ったモチーフが特徴です。クレタ島では古代からずっと、蜂蜜やオリーブが特産です。その地に暮らしている人々にとって、ミツバチや牛は、生きるために必要な神聖な物として尊ばれているのです。

写真:みつばち
みつばちモチーフのアクセサリ

写真:牛の飾り
牛の飾り

他にはイルカやタコなどの海の動物たちもまた、芸術的な色彩で壁画などに描かれています。今、ふもとの町イラクリオの考古学博物館で、その装身具や美しい壁画などを見ることができます。

次回は、クレタ島のミノア文明が、エーゲ海をわたり、西対岸のペロポネソス半島に文化や技術で影響を与えた話をしたいと思います。